住民がもっと便利に暮らせる未来のために。
高卒でプログラマーとして入社後、自ら希望してシステムエンジニア職へ転身、現在は次世代システム開発メンバーへ。
強い意志で望むキャリアを掴み取ってきた矢野さんに、会社の最先端で仕事をする今感じること、そして未来への思いを聞きました。
次世代システム開発部 開発3課 矢野さん
システムエンジニア
2011年4月入社後、熊本本社でプログラマー職に従事。3年目からシステムエンジニアとして、北海道ではシステムの稼働サポート、新潟・東京でそれぞれ稼働・保守対応を行ない、再び熊本本社に戻り既存システムの開発業務に携わる。2021年からは次世代システム開発プロジェクトに参画。現在、収納管理・滞納整理業務チームのリーダーとして43人のメンバーを率いる。
志願してプログラマーからシステムエンジニアへ
━━RKKCSへ入ったきっかけを教えてください。
19歳の時高卒で入社しました。高校は情報処理科で、ずっと「プログラミングをする仕事に就きたい」と考えていたんです。
学校にたくさん届いていた求人の中でRKKCSに目が止まったのは、自治体様にシステムを納める会社と知ったから。漠然と「何かすごそうだな」と。世の中に与える影響が大きい仕事だと感じ、入社を決めました。
━━プログラマーとして入社。その後の経歴には大きな動きがありますね。
プログラマーは基本的に社内で仕事をするため、お客様と接することが少なく、私にはお客様の生の声が届きづらかったんです。もっとお客様の要望に直接触れながら仕事をしたいと、周りの方々に相談していました。システムエンジニアの先輩が客先に行かれる際に「自分も連れていってください」とお願いしてついていったこともあります。そうした姿を上司が見てくださり、3年目からは新たな道へ進むことになりました。
━━システムエンジニアとして各地で経験を積まれました。
最初の転勤先は北海道でした。自治体様の電算室に常駐し、システムの稼働開始から運用が軌道に乗るまで職員様のお手伝いをしました。その後の新潟や東京では業務エンジニアとして、お客様と要件を決めるところから現地での稼働まで一通り担当しました。その後熊本本社に戻ってからは、既存のシステムの開発に携わるようになりました。入社直後のプログラマー業務と異なるところは、いわゆる開発の上流工程をやるようになったこと。お客様とやりとりしながら仕様を決め、設計書を書き、「こう作ってほしい」と提示する立場になりました。こうした経験を経て2021年の頭からは、かねてから参画したいと伝えていた「次世代システム」の開発メンバーに加わることになりました。
これまでの経験全てを次世代開発に生かす
━━現在携わっている次世代システム開発業務とは、どんなものですか?
簡単に言うと、これまでRKKCSが作っていた既存のシステムをゼロベースで見直し、1から構築するプロジェクトです。
背景には、2040年問題という国の抱える課題があります。日本は2040年に少子高齢化で人口減少が深刻化するとされており、それに伴い自治体職員様の数も減少するといわれています。そうすると当然、各自治体様が処理できる仕事量が減ってしまいます。今までは各市町村が行なっていた業務を県が一括して行なうなど、必然的に合理化が必要となります。ただ現状は各自治体様のシステムがバラバラのためそれができません。こうした将来起こるとされる危機に備えて、より便利な運営にするための準備として国が統一仕様を提示し、私たちのようなシステム会社がそれに沿った新たなシステム作りを始めているんです。
━━具体的にどんなことに取り組んでいるのですか。
2025年度末に向けて既存のシステムが新システムへと切り替えられていくのですが、現在はそのシステムの基本設計のベースとなる構想を私たち次世代開発チームが作っているところです。画面イメージや具体的な機能を練っている段階ですね。私は開発3課のチームリーダーとして、3人のメンバーと共に収納管理・滞納整理業務のシステムを構築しています。2週間に一度は別部隊のリーダー層とディスカッションを交わしながら詳細を詰めています。
難しいのは、競合他社との差別化。国からのオーダーに応えるだけでは、どのシステム会社もやれることはあまり変わらないんです。だから「より簡単に」とか、「より見やすく」といった機能以外の部分にも価値を持たせないと生き残れません。ユーザーにとって使いやすいシステムでありながら、国の仕様から外れないように考えるのには頭を悩ませます。
━━その中でRKKCSが発揮できる強みとは?
RKKCSのシステムは、長年に渡り先輩方がお客様と密にコミュニケーションをとりながらアップデートを重ねてきたものです。それは私たちメンバーも同じ。各業務のプロフェッショナルが集まっているので、それぞれがこれまでお客様と接しながら蓄積してきた経験や知識があります。現場で得た貴重な意見や学びを、次世代システム開発に反映させていくことができます。人口規模の異なる自治体様を経験したメンバーが多く在籍しているのも、どの自治体様でも等しく使いやすいシステムを作る上で有効です。中には100万人規模の政令指定都市を経験したメンバーもいますし、私自身この10年間で人口300人の地域から30万人の都市まで、大小様々な自治体様のシステム運営を経験してきました。そうしたことが幅広い視野を持った開発につながっていると思います。
より良い未来に向けて、より良い提案を
━━どんな時にやりがいを感じますか。
既存のシステムは10年以上前に作られ、改修を重ねてきたものですが、新システムではその根幹の部分から作り変えることができます。これまで自治体運営への影響を考えて改修できなかった部分にも手を入れることができる。そこはすごく面白いです。
また国の標準化の仕様決定において、総務省が設定する会議体に招かれることもあります。大手企業と肩を並べ、300自治体様以上のシステム運用を行なう企業の人間として一意見を述べることができるのは、熊本の地方企業でありながら同じ土俵で戦っていることを実感しますし、誇らしく思いますね。もちろんプレッシャーもあります。しかし、次世代システムを完成させることで個人としても会社としても大きな飛躍につながるはずです。
━━プログラマーからシステムエンジニアになり、今この場所にいます
入社当初は全く想像できませんでした。3年目の北海道行きから、全て想定外です(笑)だけどRKKCSに入って良かったと今ハッキリと言えます。こんな経験なかなかできないですから。
北海道に転勤した時、当たり前だけど大切なことに気づきました。それは「システムを提供している私も、どこかの自治体の住民だ」ということ。
実は北海道の自治体様へ常駐して最初の仕事が住民票を移す、つまり「転入届を出すこと」だったんです。住民としての私に対応してくれた自治体職員様に、今度は私がシステムを提供する。「ああ、住民としての私にもつながっているんだ」と思いました。
無事にシステムの標準化が達成できれば、自治体職員様はより住民目線のサービス展開が可能となり、私たちRKKCSもまた新たなサービス提案へと力を注ぐことができるようになるでしょう。ユーザーである自治体職員様の先にいる住民がより便利に暮らせる未来を作っていきたい。そんな思いで日々の業務に向かっています。